「世界の食卓において醸造酒と言えば、今まではビールかワインのどちらかが一般的だった。そこに第3の選択肢として『日本酒』というものを浸透させていきたい」
そのビジョンをもとに海外への輸出を前提として「ビールやワインのように、洋食と合わせて楽しめる」独自の酒を醸し続けるクラウドファンディングにて立ち上げた新世代の酒蔵「WAKAZE」。
その特徴は独自のボタニカルやフレーバーを加え、今までにない目線から新しく世界に向けた「SAKE」を醸し続けていること。
そしてWAKAZEの醸す日本酒をマツザキでは「次世代酒」と呼んでいます。
醸造委託しながらも拠点の三軒茶屋で季節酒を醸すWAKAZE
WAKAZEは山形を拠点に「委託醸造」形式で、酒蔵とタッグを組みながら醸しています。つまりレシピを開発して通年販売のお酒を醸していますが拠点となっているのは東京都の三軒茶屋。
商店街の中にひっそりとたたずんでいるWAKAZEの三軒茶屋醸造場、レストランと併設されており僅か4.5坪の土地で酒を醸しています。
醸造場にタンクは4つあり、レストラン側からガラス越しに眺める事が出来ます。ここで三軒茶屋のどぶろくを始めとしたフレーバーなお酒が醸されています。
壁には蔵元デザイナーの手書きによる醸造方法がオシャレに描かれています。
輸出に強い酒、そして洋食とも噛みあう酒。
WAKAZEの手掛ける酒はどれもが一度飲めば印象に残るような味わいです。
それはワイン樽で寝かせたり、発酵中に柚子やレモン、山椒などの和のボタニカル原料を入れたりしてあり、さらに味わいの変化、輸出に強くさせるために酸度が高い酒質設計になっています。
三軒茶屋で作れる量はわずか200リットル、しかし少量であることを逆手に取り様々なお酒にチャレンジしています。
明確なビジョンと少量で様々なお酒をチャレンジできることからWAKAZEの進化スピードは驚くほど速く、新しく出来上がる酒は毎回飲み手を驚かせます。
そして次なる舞台はパリ!
日本酒を海外で売り込むための手段の一つとして、そして日本酒としての可能性を見出すために、先ずは海外で日本酒を造ってみようと動き始めたのです。
日本酒造りの重要な原料である米、水、酵母もフランス現地で調達し、米は南仏カマルグ地方で栽培される料理用のジャポニカ米を使用。
水はヨーロッパならではのミネラル豊富な硬水を使用しており、酵母についても、清酒用酵母を日本から輸入はせず、ワインの醸造に使用されるワイン用酵母を現地入手し、清酒醸造に使用という徹底ぶり。
試験醸造も完成し、2020年に早くも第一弾のフランス産日本酒が発売されています。
フランスで作った日本酒「C'est la vie(セラヴィ)」シリーズ
ブルーベリーや柚子、カカオなど毎回特徴的な原料で造られる「三軒茶屋のどぶろく」シリーズ
WAKAZEの新商品が発売され口にするたびに、日本酒というジャンルは深い世界であると同時になんて自由なお酒なんだと感じさせます。
きっとWAKAZEの作る日本酒の道しるべが数年後、数十年後の世界から見た新しい日本酒のイメージ、そして次世代の日本酒を醸す若手醸造化のロールモデルとなっているはずです。
世界に向けて進化を続けるWAKAZEのSAKEはこれからも要チェックです。